2006 Fiscal Year Annual Research Report
凍害と塩害が複合作用する連続繊維シート補強コンクリートの耐久性能の定量評価
Project/Area Number |
18760342
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
上原子 晶久 弘前大学, 理工学部, 助手 (70333713)
|
Keywords | 連続繊維シート / 凍害 / 塩害 / 複合劣化 / 付着性状 |
Research Abstract |
1.塩害と凍害が複合作用する環境下を再現するため,ASTM-C-672法を参考に以下の凍結融解試験を行った.連続繊維シートを接着した上面に3%塩化ナトリウム水溶液を湛水し,凍結サイクル(-15〜-20℃で約17時間)と融解サイクル(+20℃で約7時間)で構成される1回の凍結融解サイクルが約24時間で完了する環境下に120日間暴露した.その後,連続繊維シートとコンクリートとの付着試験を行った. 2.連続繊維シートの種類を炭素繊維,アラミド繊維,ならびにコンクリートの空気量を実験水準として試験体を作製した.試験体は,高さ100mm,縦200mm,横200mmのコンクリートブロックの一面に連続繊維シートを接着したものである.連続繊維シートの接着工程は一般的に採用されているものとし,シートとコンクリートとの接着にはエポキシ樹脂を使用した. 3.付着試験の結果,凍結融解による損傷や塩分浸透を受けた場合の連続繊維シートとコンクリートとの付着強度は,シートの種類によらず若干低下する結果が得られた.本実験の場合には,24時間で凍結融解サイクルが終了するため,他の凍結融解試験よりも凍結融解サイクルの繰り返しが緩速であるといえる.そのことが影響して,凍結融解の繰り返しによる損傷が連続繊維シートとコンクリートとの付着性状に及ぼす影響が小さかったものと考えている. 4.一方で,コンクリートの空気量を変化させた実験では,シートとコンクリートとの付着性状に明確な違いが見られなかった.付着性状に空気量が及ぼす影響の感度が低いことが原因と考えられる.以上については,本年度の結果を踏まえて次年度に追試を行う予定である.
|
Research Products
(1 results)