2006 Fiscal Year Annual Research Report
載荷条件,基礎形式および3次元効果を考慮した基礎の支持力・変形特性
Project/Area Number |
18760358
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
檜尾 正也 名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (00335093)
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Keywords | 支持力 / 周辺構造物 / モデル試験 / 有限要素法 / 構成モデル / 弾塑性 |
Research Abstract |
試作した3次元支持力モデル試験機を用いて、杭の本数や荷重条件を変えた試験を行いことで、それぞれの条件の違いによる支持力特性への影響を検討した。ここで、モデル実験をより実地盤での状態に近づけるために、これらの試験では地盤材料としてアルミナボールを、杭の素材としてポリウエタンを用いた。アルミナボール積層体地盤は正のダイレイタンシーを示すため、実地盤では砂や礫のような密な地盤と対応する。また杭は曲げ剛性に着目し、相似則を用いて実地盤スケールでのコンクリート杭と同等の曲げ剛性のポリウエタンを使用した。この様に実際地盤の状況を適切に評価することでモデル試験をより妥当性のあるものした。同時に実験条件を忠実にシミュレートした有限要素解析を行った。その結果として、偏心荷重を受ける場合には中心鉛直載荷時の5割程度の支持力しかなく、基礎の回転が卓越することがわかった。傾斜荷重を受ける場合には鉛直載荷時の7割程度の支持力となり基礎の水平変位が卓越することがわかった。また、荷重方式により、杭に作用する断面力は大きく異なり、偏心載荷時には後方杭に引張り応力が発生するため、杭のひび割れや破断等の危険がある。偏心・傾斜荷重が作用する場合は、杭の配置により最大曲げモーメントの発生箇所が異なることがわかった。そして荷重分担率では、基礎の沈下が小さいときには、すべての荷重条件下においてラフトが5割弱の荷重を受け持つことが確認された。しかし、基礎の沈下に伴って杭先端支持力の割合が大きくなる反面、ラフト部の割合が小さくなる。したがって、パイルドラフト基礎はラフト部だけでなく杭による支持力も期待できるより合理的な基礎であるといえる。弾塑性有限要素解析はモデル試験における支持力挙動や杭断面力を定性的に表現することができており、上記のような複雑な支持力挙動を把握するために有効な手段といえる。
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