Research Abstract |
圧密降伏応力が100〜300kN/m^2程度の八戸ロームの不攪乱,攪乱試料を用いて,拘束圧0kN/m^2,初期サクションを0,50,90kPaとした各ケースについて,攪乱,不攪乱土について排気非排水の不飽和三軸試験を行った。 不飽和三軸試験結果より,不攪乱,攪乱土の軸ひずみに対する応力,サクションの関係について,不攪乱,攪乱土ともサクション0kPaの飽和土ではひずみ硬化型の挙動を示したが,サクションが増加するにつれひずみ軟化型の挙動となっていた。主応力差は軸ひずみ約3%で最大値を示し,不攪乱土では残留状態においていずれのサクションでも40kN/m^2付近に収束する傾向にあった。 サクションに対する主応力差最大値の関係については,サクション0kPaでのセメンテーションや土粒子の骨格構造のみに起因した不攪乱,攪乱の強度差は約40kN/m^2であった。またサクションの増加に対する強度の増加率は不攪乱土で1.57,不攪乱土で0.48と,サクションの強度増加に対する寄与率は不攪乱土の方が攪乱土より約3倍大きかった。これは,土粒子間に作用するセメンテーション効果や,土粒子構造の違いによる間隙内に形成されるメニスカスの保水形態の違いによるものと思われる。 三軸試験時の水分特性曲線(体積変化考慮)の履歴,および保水試験結果(体積変化考慮なし)では,不攪乱土の方が保水性が大きい傾向にあった。この結果より不攪乱の方が構造が発達しており,団粒化により間隙比が局所的に小さい領域が存在し保水性が高まったことが推察される。 また,破壊時のサクションとBishopの有効応力係数xfから,サクションとχfの関係式を求め,有効応力を算出し,攪乱,不攪乱土での限界状態線を決定したところ,平均主応力と主応力差の傾きMは不攪乱土では1.59,攪乱土では0.99の限界状態線が得られた。
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