2006 Fiscal Year Annual Research Report
流動化固化処理土を含む二層地盤の主働破壊メカニズムの解明
Project/Area Number |
18760367
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Research Institution | Independent Administrative Institution Port and Airport Research Institute |
Principal Investigator |
高橋 英紀 独立行政法人港湾空港技術研究所, 地盤・構造部, 研究官 (60371762)
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Keywords | 固化処理土 / 主働破壊 / 遠心模型実験 / 有限要素法解析 |
Research Abstract |
近年,港湾施設における耐震性能の向上を目的として,護岸背後の地盤に流動化固化処理土を用いることが多くなっている.しかしながら,岸壁背後に固化処理土を用いる試みは歴史が浅く,その地盤挙動特性がほとんどわかっておらず設計法も未熟である.さらに,固化処理土の剛性やせん断強度は大きく,その主働破壊モードは非常に複雑である.本研究では,遠心模型実験及び数値解析を実施し,上部を固化処理土とした二層地盤の主働破壊モード及び主働土圧について明らかにすることを目的とする. 本年度は,遠心模型実験および数値解析を行い,上部を固化処理土とした二層地盤の主働破壊特性について詳細に調べた.遠心模型実験では,模型地盤への水平地震力や固化処理土の強度を変化させた主働破壊実験を実施し,模型地盤の破壊挙動を観察した.その結果,岸壁側上部を固化処理土で置き換えた実験ケースでは,岸壁を僅かに傾斜させるだけで固化処理土内に構造的クラックが発生することがわかった.岸壁側上部をクラックが生じない高強度材料で置き換えた実験ケースにおいても,下部の砂地盤において歪みの局所化が観察された.これらの実験ケースにおける岸壁への土圧を比較すると,いずれの場合も固化処理土から岸壁への土圧はほとんど発生しないが,クラックが生じることによって下部の砂地盤からの土圧はかなり大きくなることがわかった. 数値解析に関しては,実験諸元を決定する際の予備解析以外にも,岩石に適用される破壊基準を流用した解析も実施した.数値解析では遠心模型実験をシミュレートし,固化処理土の破壊特性を調べた.その結果,クラックの発生特性を精度よく再現できた.また,岸壁への主働土圧に関しても,多少大きく見積もる傾向があるものの,比較的精度よく再現できることがわかった.
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