2006 Fiscal Year Annual Research Report
時系列解析による出水時の河川堤防のリアルタイム監視システム構築にむけた基礎研究
Project/Area Number |
18760369
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
松本 健作 群馬大学, 工学部, 助手 (90302455)
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Keywords | 水 / 河川堤防 / 時系列解析 / 土砂崩壊 / 微弱兆候 / 加速度計測 / ヘルスモニタリング |
Research Abstract |
本年度は,出水時における河川堤防のヘルスモニタリングを,予め土中に埋設した加速度計による計測結果から行う為の前段階として,河川堤防に見立てた土砂の崩壊実験において,本研究で使用予定である自作の加速度センサーを埋設し,実際の崩壊時における計測結果の特性について検討を行った.着目点としては(1)降雨の影響が加速度の計測結果にどの程度影響するか?(2)センサーの耐性が実際の崩壊現象に対して有効であるか?(3)静的な感度を有する本センサーによる計測結果で,崩壊現象を捉えた場合,どのような結果となるのか?(4)本計測によって,目視によって崩壊の危険性が感知できるよりどのくらい前に,崩壊現象の発生を予知するための微弱兆候を検出することができるか?(5)データの考察を行って,今後,本手法によって,時系列解析を行って河川堤防のヘルスモニタリングを行える可能性が示せるか?という5点に関して検討を行った. 結果として,(1)降雨の影響はノイズ範囲に吸収でき,実際の土砂崩壊などに起因する加速度の変化を良好に検出することができた.(2)崩壊時から崩壊後にかけて良好に計測が行え,本センサーが崩壊現象に対しても良好な精度を有していることを示すことができた.(3)崩壊に伴う加速度の大規模な変動はもちろん,重力加速度との対応関係から算出するセンサーの姿勢変化は,崩壊現象と良好な対応を示した.(4)崩落方向軸の加速度のドリフトが,崩壊の20分前から見られ,また低周波帯域でパワースペクトルのピーク値が大きな変動を示し始めることが分かった.(5)これらの知見から低周波帯域に注目した時系列解析による検討が有効であることが示唆された.
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