2008 Fiscal Year Annual Research Report
海流による沿岸域への水環境影響評価システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
18760376
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
駒井 克昭 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 助教 (90314731)
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Keywords | 環境影響評価 / 沿岸域 / 海流 / 流路 / 数値解析 |
Research Abstract |
近年, 沿岸域の水質や水産資源の変動と地球規模の大気・海洋変動の関係性の解明0806445が課題となっている. 外洋と沿岸域の流れの相互作用とそのメカニズムの解明とその影響評価システムの構築のため, 本研究では外洋に面した内湾域の流動・水質場を実験・解析する技術を提案し, 内湾域の水管理技術の学問的基礎を確立することを目標としている. まず, 循環式回転水槽を用いた海洋動態実験を行い, 循環式回転水槽(平成18年度購入)内において海洋観測データおよび数値解析データを参考に流向と流量を制御し地形模型と海流の接岸と離岸を再現することで本州・四国南岸を模した地形を有する外洋と沿岸の境界域における流れ場の特性を明らかにした. 次に, 蛇行流れ制御モデルの構築ならびに数値モデルの瀬戸内海への適用とその有効性の検討を行った. 外洋〜沿岸域の流動が解析可能な3次元数値モデルにおいて, 蛇行流れを強制的に作る流向制御モデルと計算格子形状に依存しない移流スキームを導入し, 蛇行流れの沿岸域(浅水域)の流れへの影響を数値的に考察した. モデルでは実海域と同様に水温・塩分の移流・拡散が考慮された. この結果, 80年代〜90年代における瀬戸内海の通過流と黒潮流路の関係を定量的に明らかにし, 季節的な通過流の変動量は約3,000m3/s, 黒潮流路の違いによる通過流の変動量は1,500m^3/sのオーダーであることが推算された. また, 数値解析と海洋動態実験の両方において接岸時に紀伊水道側からの流入が強まる傾向にあり, 海洋観測で得られている低塩分水塊の滞留位置の移動方向と一致することが明らかとなった.
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Research Products
(4 results)