2007 Fiscal Year Annual Research Report
H形断面柱梁接合部のスチフナ応力分布不均一時における耐力評価に関する研究
Project/Area Number |
18760418
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田川 浩 Nagoya University, 大学院・環境学研究科, 准教授 (70283629)
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Keywords | 柱梁接合部 / 接合部パネル / H形断面柱 / 有限要素解析 / 実験 / 偏心接合 / スチフナ / 耐力評価 |
Research Abstract |
H形断面柱とH形断面梁との接合部において,スチフナの応力分布が不均一となる場合に着目して耐力評価方法を検討した。以下に,研究成果を項目ごとにまとめる。 (1)H形断面柱弱軸方向の梁を剛接合するとき梁フランジを強軸梁の水平スチフナとして用いる場合がある。そこでスチフナの多軸応力状態を考慮した耐力評価式を構築するとともに,強軸側梁フランジと柱フランジ接合部の単純引張載荷実験をスチフナ荷重作用下で行った。スチフナに引張荷重が作用する時には耐力に僅かな上昇が見られ,反対に圧縮荷重作用時には耐力低下が見られ耐力評価式との良好な対応があった。常時荷重時とともに地震荷重作用時についても耐力評価式を導出し,有限要素解析により評価精度を検討した。 (2)H形断面柱に対してH形断面梁を偏心して接合する場合について,パネルゾーンの補強構造について検討した。梁ウェブと同じ面上の柱フランジ間に縦スチフナを配置する場合を想定し,パネルゾーンの耐力評価式を構築した。偏心接合部を有する十字形部分骨組に対する逆対称荷重作用時の有限要素解析およびT字形部分骨組の繰返し載荷実験を行った。その結果,偏心接合部パネルの弾塑性挙動特性とパネル耐力評価精度を明らかにした。 (3)H形断面柱梁偏心接合部が骨組挙動に及ぼす影響を検討するため立体骨組の静的漸増載荷解析を行った。その結果,縦スチフナで補強された偏心接合部モデルは非偏心モデルと保有水平耐力に差が無いこと,縦スチフナを用いない場合耐力が低下することを確認した。
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