2007 Fiscal Year Annual Research Report
微動を用いた地震動強さ指標の地盤増幅率の推定手法の開発
Project/Area Number |
18760420
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
神野 達夫 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 准教授 (80363026)
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Keywords | 地盤増幅率 / 地盤の減衰 / 地盤の非線形特性 / 微動 / H / Vスペクトル |
Research Abstract |
昨年度の研究より、精度の良い地盤増幅率を算出し、そのばらつきについて定量的に評価を行うためには、適切な地盤の減衰の評価を行った上で最適な地下構造のモデル化を行う必要があることが分かった。そこで、地盤の減衰特性1の再評価、-さらに地下構造モデルの同定手法の高度化を試みた。また、増幅率のばらつきの要因の一つである地盤の非線形特性についても喰討を行い、これらを/踏まえ、地盤増幅率と微動の関係性について検討を行った。得られた知見をまとめる。 ・ 多点同時逆解析によって土質ごとに推定された地盤の減衰特性は観測記録をよく満足し、対象とした地域の減衰特性を精度良く評価している。 ・本検討で提案した地震記録および走時曲線を用いた逆解析手法は、観測記録の説明能力の高い地下構造を推定することが可能である。 ・ 観測点ごとに地盤の非線形特性を評価し、観測記録に基づいて地盤の剛性低下率とひずみの関係を定式化した。 ・ 地盤増幅率と観測された微動記録から様々な地震動強さ指標の地盤増幅率の推定方法について検討を行った。最大加速度の地盤増稿率(A_<PGA>)は微動のH/Vスペクトルから求められたS波速度構造の伝達関数)周期0.1〜0.3秒の平均値(As)から以下の式に従って推定が可能である。logA_PGV=0.55logAs-0.12 ・ 最大遠度の地盤増幅率(A_PGV)は微動のH/Vスペグトルの卓越周期(T)と相関が高く、以下の式から推定が可能logA_PGV=0.24logT+0.20 ・これらの方法の地盤増幅率の推定精度は、国土数値情報に基づく平均S波速度(AVS30)から既往の関係式を用いて推定した増幅率よりも高く、PS検層によるAVS30から推定した増幅率とほぼ同等であるが、微動記録に基づいていることから、任意の地点で増幅率の推定が可能である。
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