2008 Fiscal Year Annual Research Report
溶接欠陥から発生する脆性破壊の適切な予測手法の開発
Project/Area Number |
18760428
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
岩下 勉 Ariake National College of Technology, 建築学科, 准教授 (10332090)
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Keywords | 脆性破壊 / 破壊靱性 / 塑性拘束 / J積分 / ワイブル応力 / TSM / き裂進展 |
Research Abstract |
本研究では, 塑性拘束および延性き裂進展が脆性破壊の発生に及ぼす影響を明らかにし, 脆性破壊の発生を精度良く予測することを目的としている. これまでに, 破壊靱性が非常に低い材料の破壊靱性試験(深い切欠き・浅い切欠きの3点曲げ試験, 両端貫通切欠き・中央貫通切欠き付きの引張試験)を行なった. しかし, 交付申請書に研究の目的で記載した「延性き裂が脆性破壊に及ぼす影響」を検討するには, これまでの材料よりも破壊靭性が大きいものでなくてはならない. そのため, 昨年度よりも高い破壊靱性状態で, 破壊靱性試験(深い切欠き・浅い切欠きの3点曲げ試験)を行なった. 実験では, 予定通り延性き裂がある程度(0. 5〜3mm程度の幅で)進展した後, 脆性破壊が発生した. これらの結果について, ワイブル応力による手法とT. L. Andersonらが提案したTSM(Toughness Scaling Model)による手法を用いて, 塑性拘束と破壊靱性の関係の定量化を試みた. その結果, 延性き裂の影響を考慮した場合としない場合のいずれにおいても塑性拘束の違いが破壊靭性に及ぼす影響をうまく評価することができた. これらの成果を踏まえ, 柱梁溶接接合部の数値シミュレーションに適応し, 溶接欠陥の大きさや位置などを変数とし, それらの欠陥が脆性破壊の発生にどのような影響を及ぼすかについて調べ, どのような欠陥で脆性破壊の危険性があるのかを確認した. これらは, より信頼性のある脆性破壊の予測方法の確立につながると考えられる.
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Research Products
(4 results)