2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境調整行動と熱・空気環境のモニタリングを導入した住環境教育プログラムの開発
Project/Area Number |
18760431
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
菅原 正則 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (60300513)
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Keywords | 室内環境 / モニタリング / 住環境教育 / 環境調整行動 / 年間計測 / 窓開閉 / 室温 / 正規分布 |
Research Abstract |
今年度は、モニタリングを導入したワークショップの最適な実施方法に関する基礎的検討として、北海道から四国までのさまざまな気候特性の地域にある戸建て住宅11戸において、夏季・冬季・中間季を含む長期に渡り計測された窓開巾のデータを用いて、窓開閉行為の特性を明らかにした。主に得られた知見は次の通りである。 1.室内の温湿度について月別に各時間帯の平均値を求めたところ、その日変化に暖冷房の影響と見られる不規則な変化が見られた。 2.月別に求められた各時間帯の窓開放時間の日変化は、(1)ひとつ山型:ある決まった時間に開放時間が長くなる。(2)ふたつ山型:朝方と夕方に開放時間が長く、日中には開放時間の短い谷間ができる。(3)平坦型:ほとんど日変化が見られない。に分類された。 3.室温と窓開放時間の関係がS字を描くように分布するとみられたので、これに正規分布の累積分布関数の近似式(Williams、1946)を当てはめ、回帰分析を行った。その結果、正規分布の変数である平均(窓開放時間30min/hに対応する室温であり、同時に、室温に対する窓開放時間の変化の度合いが最も高いときのもの)と標準偏差(室温が平均の値であるときの、室温に対する窓開放時間の変化の度合いの緩やかさ)がそれぞれ20〜34℃と2〜11℃の範囲で得られた。 4.室の種類によって平均と標準偏差の分布を検討したところ、居間については1戸を除き平均が26〜28℃、標準偏差が2.5〜5.2℃といった狭い範囲に集中し、地域差は見られなかった。 5.居住者数については、2人の場合に比べて3人以上の住宅は標準偏差が大きい傾向が見られた。 6.地域差については、平均が小さい範囲に北海道・東北・関東が分布し、平均、標準偏差ともに大きい範囲には関西・四国が分布した。これは室温が高いときの冷房使用状況の違いが現れたと予想される。
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Research Products
(5 results)