2007 Fiscal Year Annual Research Report
住宅の通風性状予測に適した自動格子生成に関する研究
Project/Area Number |
18760433
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今野 雅 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (10312977)
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Keywords | 解適合格子 / 通風 / 直交格子法 / オープンソース / CFD |
Research Abstract |
本年度は、主に次のような研究実績を得た。 1.数値解析結果の検証用として、東京大学大学院工学系研究科所有の境界層型風洞において、密集した市街地を想定して,住宅周辺の風圧・風速分布のデータを得た。また、住宅内部の通風性状の可視化も行なった。 2.市街地での建物周りの風環境解析において,より効率的な格子生成ができる非一様型AMRの手法やソフトウェアを新たに開発した.また,本手法を,低密度の格子状市街地に建つ低層建物周辺気流に対して適用した結果,通常の一様型AMRに比べ,解析領域全体での速度や乱流エネルギーの誤差の標準偏差は多少増加するものの,対象領域における速度や乱流エネルギーや,対象建物表面での風圧係数め誤差の標準偏差は一様型AMRとほぼ同程度となる予測が行なえた.また,このケースによって生成された最終格子の格子数は,一様型AMRに比べ約1/4であり,検討対象する領域での解析精度をほとんど落さずに,格子数を大幅に削減した大変計算効率の良い格子が自動的に生成できることがわかった. 3.2.で構築した非一様型AMR手法を,中密度の格子状市街地に建つ低層建物周辺気流,風向22.5度の場合の低密度の格子状市街地に建つ低層建物周辺気流,およびモデル市街地に建つ高層建物周辺気流に対して適用した.その結果,どの流れ場においても,検討の対象する建物の風圧係数に関する解析精度,もしくは,対象領域における風速分布に関する解析精度が一様型AMRと変わらないまま,一様型AMRに比べ格子数が大幅に少ない,大変計算効率の良い格子が自動的に生成できることがわかった.これにより,本研究で構築した非一様型AMRによる格子数削減効果が,広範囲の風環境解析に対して有効であることが示された.
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