2006 Fiscal Year Annual Research Report
省エネルギーで防犯性の高い夜間商業街路の光環境整備の提案と実験的検証
Project/Area Number |
18760441
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 茂雄 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (20262313)
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Keywords | 街路照明 / 防犯 / 省エネルギー / 住民参加 / 光環境計画 / まちづくり |
Research Abstract |
平成18年度は、岐阜県白川村の平瀬地区を実験対象として、既存の街路灯のみによる街路の光環境に対して、申請者らの提案する、建物の開口部からの光や、建物に付随する照明設備を活かした光環境を提案した。実際に、9月下旬と11月に、平瀬地区の約250mの範囲において光源を設置した実験を行った。その結果、街路において路面や鉛直面の照度と、街路全体の消費エネルギー量をどの程度削減できるかを示した。具体的には、光束量を現状よりも1/4程度に削減できることを示した。 次に、建物25軒を対象とし、現状の街路灯が点灯している状態と、街路灯を全て消灯した提案の状態を比較評価した。提案時の光源配置は事前実験をもとに、まず、評価の高かった開口部の光と玄関灯、花壇の照明を組み合わせて光環境を作り、歩行上必要と思われる最小限の光を路上に配置した。さらに、事前調査より空き家や倉庫などで20m以上窓明かりがないところは提灯や行灯などの外部照明を設置した。被験者は平瀬の住民10名と観光客10名の合計20名とした。街路の歩行しやすさや、路上の他者に対する不安感、景観としての好ましさ、また建物の光によって感じる監視性や人の気配について評価した。評価の結果、住民に対しては内部照明で人の気配を作り出すことが安心感に繋がることが分かった。また、観光客に対しては街の特色を浮かび上がらせるような外部照明が安心感に有効であり、街並みのふさわしいにおいても高い評価を得ることが出来た。しかし、自動車ドライバーから歩行者を認識しずらいなどの指摘もあり、今後の課題とされた。
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