2006 Fiscal Year Annual Research Report
視覚情報取得を考慮した低湿度環境における知的生産性・疲労感の評価に関する研究
Project/Area Number |
18760442
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
堤 仁美 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (00409690)
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Keywords | 視覚情報取得 / 低湿度環境 / 知的生産性 / 疲労感 |
Research Abstract |
本研究は、低湿度環境下でのまばたき回数増加が在室者の視覚情報取得量・正確性・疲労感に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。 環境の湿度が下がることにより、目の粘膜が乾燥し、まばたきが多くなることで在室者の目からの情報取得量が減少し、知的生産性が低下する可能性の確認を行うため、在室者の視覚情報取得量を定量的に測ることのできる手法が必要とされる。そこで、在室者の視覚情報取得量及びその正確性の評価ツールとして、文献調査により短期記憶検索作業、ビジランス作業を抽出した。また、視覚認知反応作業を本研究で開発した。これらの作業にはタイムリミットを設定しているため、情報取得にかかる迅速性、正確性ともに必要とされ、いずれかが欠けても正答率は低下する。 これらの評価ツールの検討を行うための被験者実験を早稲田大学温熱環境室にて行った。被験者は大学生年齢の男女15名であった。湿度、気流、光を環境からの目に対する負荷と位置づけた。空気温度は25.0℃一定とし、30%RH、70%RHの2湿度条件を設定した。各条件に、局所気流(小型ファンを用いて被験者の顔に対し1.0m/s程度の気流を付加した)を加えた低湿度+局所気流条件、高湿度+局所気流条件とした。加えて低湿度条件+高照度条件を設定した。実験中、被験者は短期記憶作業、ビジランス作業、視覚認知反応作業を20分×3回ずつ行った。実験結果より、ビジランス作業が最も難易度が低く、短期記憶検索作業の難易度が高かった。高照度条件で作業成績が高かった。作業成績に対する湿度影響が見られた。局所気流のある条件で視覚疲労訴え率が増加した。被験者のまばたきが短くなると、作業成績が低下する可能性があることが示唆された。本研究で開発された視覚認知反応作業は評価ツールとして使用可能であることが示された。
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Research Products
(3 results)