2007 Fiscal Year Annual Research Report
視覚情報取得を考慮した低湿度環境における知的生産性・疲労感の評価に関する研究
Project/Area Number |
18760442
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
堤 仁美 Waseda University, 理工学術院, 講師 (00409690)
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Keywords | 視覚情報取得 / 低湿度環境 / 知的生産性 / 疲労感 |
Research Abstract |
本研究は、低湿度環境下でのまばたき回数増加が在室者の視覚情報取得、疲労感に及ぼす影響を明らかにし、湿度基準を定める際に視覚情報取得を考慮した知的生産性・疲労感評価の点からのアプローチを提案することを目的としている。 異なる湿度条件下における在室者の視覚情報取得量・正確性・疲労感評価を目的とした被験者実験を人工気候室にて行った。本実験では、在室者の視覚情報取得量及びその正確性の評価ツールとして前年度に開発した視覚認知反応作業を用いた。被験者として、健康な成人女性8名が参加した。実験条件として、相対湿度20%RHと50%RHの2条件を設定した。空気温度は両湿度条件とも25.0℃一定とした。この2条件に加えて、被験者の学習効果を取り除くためのpre条件を設定した。100分間の暴露時間中、20分間の視覚認知反応作業を3回被験者に課した。各作業終了後、被験者申告、自覚症状しらべ、視覚疲労自覚症状しらべ、まばたき間隔測定、皮膚水分量測定を行った。 被験者の皮膚水分量は、湿度の低い条件において低下した。条件間で有意差はみられなかったものの、低湿度条件で被験者の乾燥感が高くなった。自覚症状しらべの結果より、高湿度条件では集中することが困難になる可能性が示唆された。目の乾燥感や視覚疲労に条件間の有意差はなかったが、低湿度環境ではまばたきが短くなった。被験者に課した視覚認知反応作業にはタイムリミットを設定しているため、情報取得にかかる迅速性、正確性ともに必要とされ、いずれかが欠けても正答率は低下することから、本実験では、正答率を被験者のパフォーマンスとして評価した。高湿度条件より低湿度条件で視覚認知反応作業の正答率が高い傾向が見られた。
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