2008 Fiscal Year Annual Research Report
視覚情報取得を考慮した低湿度環境における知的生産性・疲労感の評価に関する研究
Project/Area Number |
18760442
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
堤 仁美 Waseda University, 理工学術院, 講師 (00409690)
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Keywords | 視覚情報取得 / 低湿度環境 / 知的生産性 / 疲労感 |
Research Abstract |
環境の湿度が下がることにより、目の粘膜が乾燥し、まばたきが多くなることで在室者の目からの情報取得量が減少し、知的生産性が低下する可能性がある。そこで、本研究は、低湿度環境下でのまばたき回数増加が在室者の視覚情報取得、疲労感に及ぼす影響を評価することを目的としている。 本年度は、これまで実施した被験者実験結果をまとめた。 本研究では、視覚認知反応作業を評価ツールとして開発した。湿度、気流、光を環境からの目に対する負荷と位置づけた被験者実験を実施し妥当性の検討を行った。被験者のまばたきが短くなると、作業成績が低下する可能性があることが示唆された。視覚認知反応作業は評価ツールとして使用可能であることが示された。 同空気温度の低湿度条件と高湿度条件にて実験を実施した。目の乾燥感や視覚疲労に有意差はなかったが、低湿度環境ではまばたきが短くなった。高湿度条件より低湿度条件で作業の正答率が高い傾向が見られた。疲労感調査より、高湿度条件では集中することが困難になる可能性が示唆されており、本実験では、これが正答率の低下が見られたと考えられる。 また、被験者実験におけるまばたき時間測定では、これまで、被験者自身がストップウォッチを用いて1回のまばたきの間隔を測定する方法を採用していた。本研究では、これに加え被験者の目を撮影して画像解析によりまばたき時間を測定する方法について測定の妥当性の検討を行った。同じ環境下で2種類のまばたき時間測定方法を用いて測定を行った結果、同じ傾向を示した。また、心理量との関係も確認された。両方法とも実験に採用可能であると考えられる。 本研究成果より、湿度基準を定める際に視覚情報取得を考慮した知的生産性・疲労感評価を考慮する必要があることが示された。また、本研究ではこのための評価ツールの提案を行った。
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Research Products
(1 results)