2006 Fiscal Year Annual Research Report
高層マンション問題を通じて考察する「現代日本の理想の都市像」に関する実証的研究
Project/Area Number |
18760469
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
瀬田 史彦 大阪市立大学, 大学院創造都市研究科, 助教授 (50302790)
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Keywords | 都市計画 / 景観 / マンション / 都市像 / 中心市街地 / 密度 / コンパクトシティ |
Research Abstract |
(1)文献調査:高層建築、をめぐる諸研究の整理による「現代日本の理想の都市像」の論点整理 高層マンションをはじめ、人が集中して密度高く住む都市像をめぐる諸研究を、以下の点を中心に整理した。 ・都市全体の密度のあり方を論じた研究(コンパクトシティ論など) ・環境問題と広域的視点からみた都市全体の密度論・密度配分論 ・都市の密度が景観に及ぼす影響に関する研究 (2)ヒヤリング調査:高層マンション問題の具体事例の調査・分析による論点の具体化 (1)によって明らかになった諸研究の整理を、高層マンション問題やその背景となる都市計画の具体事例の調査・分析を行うことによって検証し、「現代日本の理想の都市像」における具体的な論点を浮き彫りにした。具体的には、高層マンション問題や、その他都市の密度に関連した問題(中心市街地問題など)を抱える地域の各主体にヒヤリングした。「景観を破壊する高層マンション」という視点だけでなく、高容積をはじめとする高層建築のメリットに対する景観の変化や周辺環境等への(主に負の)影響、という形で論点を相対化した上で、両者を比較する形でヒヤリング先に意見を求め、結果をまとめた。 ヒヤリング調査は日本国内を主体に、補足的に海外(ドイツ)での調査を交えて比較する手法をとった。国内では、広島(新規に建設された高層マンションが世界遺産である原爆ドーム周辺の景観問題を起こした事例)、富山(国や市が進める中心市街地活性化の諸政策にしたがって都心での高層マンションを増加させようとしている事例)、佐賀(郊外化に伴って都市中心部の商店街が廃れ散漫な町になっていく事例)などについて、調査を行った。海外では、橋の建設によって景観が破壊されるとして世界遺産取り消しの可能性が論議を呼んでいるドイツ・ドレスデンについて研究し、別紙に示すように成果を発表した。
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Research Products
(6 results)