2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760472
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
西 英子 Prefectural University of Kumamoto, 環境共生学部, 准教授 (70405570)
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Keywords | 都市社会 / 共棲空間 / 都市計画 / 地域計画 / 地域コミュニティ / 社会関係資本 / デンマーク |
Research Abstract |
本年度は、2007年に大幅な自治体再編成を行いながら、より地域のニーズに合ったまちづくり施策に取り組むデンマーク、コペンハーゲン大都市圏のまちづくりの現状と課題を分析しながら、熊本市新町、古町の住民主体のまちづくり活動を分析した。 デンマークは2007年の大幅な合併後、コペンハーゲン大都市圏においては、1940年代から続くフィンガープランの理念を継承し、さらに、都市のコンパクト化、環境保全と公共交通の充実を掲げている。市民が、広範囲の計画、まちづくりに必ずしも関心を高く持つわけではないため、隣接する自治体間同士の議論、担当課を含め横の連携を強化することで計画の質を上げ、市民の関心を高める工夫を重ねている。 熊本市新町、古町では〜マンション建設の急増による新旧住民の混在、地域コミュニティの希薄化が懸念されている。これまでの既存の住民組織から新たに30代を中心とした若手世代による新組織が作られ、地域の空家を寄り合いの場所として、地域住民のまちづくりへの意識を高めるため継続的な取り組みを行っている。2008年度は、若手世代組織と大学生とが連携し、既存商店と協力しながら、店舗シャッターに歴史をモチーフとした絵を描く取り組みを行った。そのプロセスにおけるヒアリング調査では、商店主や大学生とも、初期の不安感は見られるものの、議論の場、交流の場を重ねることで、信頼関係やネットワークが確かなものとして構築された。まちづくり(社会的な計画)は、多様な人々が出会う場と議論の繰り返しにある。
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Research Products
(1 results)