2006 Fiscal Year Annual Research Report
グループリビングのシステムを活用した高齢者向け優良賃貸住宅の展開方策
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18760478
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Research Institution | Tokuyama College of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 伸子 徳山工業高等専門学校, 土木建築工学科, 助教授 (90259937)
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Keywords | 高優賃 / グループリビング / 高齢者 / コ・ハウジング / ノルウェー / 共同空間 / 経年変化 / 協同組合 |
Research Abstract |
平成18年度は研究の初年度にあたり、現在運営されている高齢者向け優良賃貸住宅(以下「高優賃」という。)の概要および共同空間の利用状況を把握するために全国の建設事例に対する郵送アンケート調査と高齢期グループリビング運営管理システムの条件を整理するために、20年近くグループリビングを継続している先進的な事例を持つノルウェーにおけるシニア向けコ・ハウジングを調査対象として、現地にて入居者へのヒアリングおよび入居者アンケート調査を実施しした。全国調査は、2006年8月から10月にかけて管理主体188団体と建設事例289事例に対して郵送で行い、管理主体の回収数が117団体(回収率62.2%)、建設事例の回収数が186事例(回収率64.4%)であった。これらの結果より、高優賃内での入居者交流や共同空間の利用状況、他施設の複合化の状況から現在の高優賃が5タイプに分類された。今後はタイプ別の典型事例調査よりグループリビングのシステムの導入方法を検討する予定である。また、高齢者住宅にグループリビングのシステムを導入するためにグループリビングを先進的に建設してきたノルウェーの3事例に対して、前回調査から11年を経た2006年8月に経年変化調査を行った。代表者へのヒアリング調査と入居者へのアンケート調査(配布127票、回収64票、回収率50.4%)を実施した。この結果より、入居者の高齢化が進行する中でも前回調査と大きな変化なしに共同空間を活用した交流が継続されていた。これらの事例が持つ運営上の課題や生活実態に基づいて、今後高齢期グループリビングを運営するために必要な要素の分析を行う予定である。
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