2006 Fiscal Year Annual Research Report
1930年代初期ソ連におけるハンネス・マイヤーとバウハウス旅団の活動に関する研究
Project/Area Number |
18760486
|
Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
冨田 英夫 呉工業高等専門学校, 建築学科, 助手 (80353316)
|
Keywords | モダニズム / ソ連 / 1930年代 / バウハウス / 近代建築 / ハンネス・マイヤー |
Research Abstract |
本年度は主として、1.研究システムの整備、2.資料の収集、3.分析作業、4.研究成果の発表を行った。 1.研究システムの整備 現有のCG画像作成用のワークステーションにソフトを新規追加し、データ共有システムを整備した。 2.資料の収集 (1)出版資料による図面・写真資料の収集・整理。 (2)CADデータ作成:CADを用いCG作成用図面を作成。 (3)ドイツにおける資料の閲覧・収集、ロシア(モスクワ、ペルミ)での現地調査。 (4)収集資料を基にした分析データの作成と分析 3.分析作業 (1)出版資料によるマイヤー等の論文等の収集・整理。それらのテキストデータ化。 (2)ドイツにおける未出版資料の閲覧・撮影。 (3)収集資料を基にしたマイヤーの設計理論の分析。 4.研究成果の発表 以上の研究の結果、マイヤーとバウハウス旅団の活動について以下の二点を明らかにし、一部は学会において発表した。 (1)活動の特徴に関して、彼らをソ連に紹介する機会となったモスクワにおける「バウハウス展」(1931年)の特性、バウハウス旅団メンバーの経歴の特性を明らかにした。 (2)ドイツ時代の建築理論の展開に関して、「大モスクワ都市計画」案(1931-32年)においてマイヤー独特の心理効果への配慮が都市空間に適用された点、「工場学校コンビナート」案(1930年)において、社会心理学的な建築構成への配慮と規格化への対応の結果としてフリープランが生まれた点をそれぞれ明らかにした。 これらは、いずれも社会主義国家ソ連の独特な状況との関連から生み出されており、マイヤーの建築理論の展開として注目すべき点と考えられる。
|