2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波誘電体材料の共振周波数の温度係数のゼロ化に向けた組成制御と材料設計
Project/Area Number |
18760509
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
菅 章紀 名城大学, 理工学部, 講師 (70387760)
|
Keywords | マイクロ波誘電体 / 低損失材料 / 共振周波数の温度係数 / 材料設計 / 結晶構造解析 / セラミックス / 情報通信 |
Research Abstract |
近年の情報社会の急速な発展には、携帯電話やモバイルコンピュータ等の携帯型情報通信端末の急速な進化と普及が大きな役割を果たしている。これら情報通信機器には、多くの電子デバイス部品が使用されており、マイクロ波誘電体や強誘電体セラミック等の誘電体材料は、情報社会を支えるキーマテリアルである。マイクロ波誘電体は、高周波回路を構築する上で必要不可欠な材料であり、ITSやユビキタスなどの次世代通信においてその役割は非常に大きいものと考えられる。本研究では、これらの要求に適した低い比誘電率(ε_r)と高い品質係数(Q・f)を兼ね合わしたマイクロ波誘電体セラミックスの創製を目指し、特に共振周波数の温度係数(τ_f)の組成による制御と材料設計を目指し、研究を遂行している。 本研究では、高Q材料としてコランダム系材料であるMg_4Nb_2O_9を中心した化合物や固溶体において、結晶構造解析により温度変化に伴う結晶構造の変化と誘電特性の温度依存性との相関について検討した。温度変化を伴った構造解析より、結晶構造内の酸素人面体における各原子間の結合強度の計算から、誘電率の温度変化と酸素八面体内の共有結合性の変化に相関性が認められた。さらにMg_4Nb_2O_9化合物のMgをCoで置換した化合物においても、同様な傾向が認められ、結晶構造レベルでの誘電率の温度係数への寄与が示唆された。また、コランダム系材料以外にも新規のペロブスカイト系材料でも同様な傾向が認められ、誘電率の温度依存性と結晶構造の観点から、共振周波数の温度係数のメカニズムについて知見が得られた。 本研究では、上記の高g誘電率の温度依存牲の解析だけでなく、次世代通信に必要な新規のマイクロ波誘電体材料の創製と低温同時焼成セラミックス(LTCC)の開発も行い、高いQ・f値を持つLTCC材料も得られている。
|
Research Products
(6 results)