2006 Fiscal Year Annual Research Report
フッ化物ガラスにドープした遷移金属イオンの原子価制御
Project/Area Number |
18760510
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Research Institution | Kyushu Tokai University |
Principal Investigator |
村田 貴広 九州東海大学, 総合教養部, 講師 (70304839)
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Keywords | フッ化物ガラス / redox / 吸収 / 蛍光 |
Research Abstract |
Crイオンは波長可変固体レーザの光アクティブイオンとして重要である.特に,Cr^<4+>のチューニングレンジはシリカファイバの光通信可能帯の全域をカバーするため,新規広帯域一括増幅器の光アクティブイオンとして開発が切望されている.そこで,フッ化物ガラスにおけるredoxの形態に関する基礎的研究のために,光機能性の高いCrイオンを選択し,そのredoxの組成依存性の解明を目的とした.マトリクスにはガラス形成能が高いBaF_2-CaF_2-AlF_3の基本系を選択した.基本系に第4成分の種類と含有量を変化させたマトリクスに0.1mo1%のCrF_3をドープしたフッ化物ガラスを調製した.得られたCrイオンドープフッ化物ガラスの吸収スペクトルを現有の自記分光光度計で測定した.その結果,マトリクス組成に依存せず,Cr^<3+>のみの吸収スペクトルが観測された.フッ化物ガラスにドープした遷移金属イオンのredoxの形態を多角的に考察するために,光アクティブイオンとしてBiを選択し,検討を加えた.BiイオンはCr^<4+>と同様に新規広帯域一括増幅器の光アクティブイオンとして研究開発が行われているものの,赤外蛍光を示す化学種が明らかにされていない.そこで,まず,系統的に組成を変化させた酸化物ガラスにおけるBiのredoxの形態を調査した.その結果,塩基度パラメータB値が0.4以下のマトリクスにおいてのみBiから赤外蛍光を示すことを見出した,今後は,フッ化物ガラスにBiをドープした試料についても同様に評価を行い,Crイオンのredoxに与えたマトリクスの影響について,Biドープフッ化物ガラスの結果と比較して考察する.
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