2007 Fiscal Year Annual Research Report
フッ化物ガラスにドープした遷移金属イオンの原子価制御
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18760510
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Research Institution | Kyushu Tokai University |
Principal Investigator |
村田 貴広 Kyushu Tokai University, 総合教養部, 講師 (70304839)
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Keywords | 光物性 / ガラス / フッ化物ガラス / 遷移金属イオン / redox |
Research Abstract |
本研究では,系統的にマトリクス組成を変化させたフッ化物ガラスに遷移金属イオンをドープし,その原子価の組成依存性に及ぼすガラスマトリクス効果について,フッ化物ガラスの塩基度およびガラス構造によるsiteselectivityに着目し,解明することを目的とした.さらに,これまでの申請者独自の研究成果である酸化物ガラスにおける遷移金属イオンのredoxの形態とフッ化物ガラスでの研究結果を比較・総括し,redoxの形態に及ぼすガラスマトリクス効果を体系化するとともに,遷移金属イオンドープフッ化物ガラスによる新規フォトニクスデバイス開発のための組成設計指針の確立を目指す. 今年度は前年度に引き続き,フッ化物系でもCr^<4+>が存在するガラス系の探索に加え,ドープしたBiが赤外蛍光を示すガラス系の探索も行った.AIF_3およびZrF_<4>を基本として,系統的に組成を変化させたフッ化物ガラスを調製した.試料の調製については,ルツボ溶融法を用いた.調製したガラス試料の吸収および蛍光スペクトルを測定した.系統的に組成を変化させて調査を行ったものの,Cr^<4+>および赤外蛍光を示すBiの存在を本研究で実施したフッ化物ガラスでは確認できなかった.比較検討のため,Ce^<3+>をドープしたフッ化物ガラスについても調査を行い,Crイオン,Biイオン,Ceイオンそれぞれのredoxの形態とガラス組成の関係について整理を行った.以上の結果より,フッ化物ガラスにドープした遷移金属イオンのredoxの形態は酸化物ガラスでのメカニズムとは異なる因子によって決定されていると推察された.来年度は,これまでの研究成果に基づいて,フッ化物ガラスにドープした遷移金属イオンのredoxの形態を整理・分類し,酸化物,フッ化物を総括したredoxの形態に及ぼすガラスマトリクス効果の体系化を提案する.
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Research Products
(1 results)