2006 Fiscal Year Annual Research Report
Ni基超合金におけるTBCシステムのための新ボンドコート技術の開発
Project/Area Number |
18760538
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
川岸 京子 独立行政法人物質・材料研究機構, 超耐熱材料センター, 主任研究員 (40354295)
|
Keywords | Ni基超合金 / コーティング / 熱力学的平衡 / 耐酸化性 |
Research Abstract |
1.第4世代Ni基単結晶超合金TMs-138A及び第5世代Ni基単結晶超合金TMS-173、TMS-196について、γ'EQコーティングを設計し、検証試験を行った。コーティング材をアーク溶解によってボタンインゴットとし、単結晶基材と共に拡散対を作製した。1100℃における300時間の拡散実験後に界面の濃度分布を測定し、元素の内部拡散が抑制されること、SRZが生成されないことを確認した。 2.大気中、1100℃における繰返し酸化試験及び等温酸化試験によりEQコーティング材の高温酸化特性を調べ、γ'EQコーティング材には従来のボンドコートと比較してほぼ同等厚さの酸化膜形成することを確認した。同時により密着性の強い酸化膜を形成するコーティング材を設計する必要があることを明らかにした。 3.β相と平衡するγ/γ' Ni基超合金を設計し、開発合金の高温強度、β相コーティングの耐酸化性、EQコーティングシステムの拡散層抑制効果を調べて、実用性を評価した。β相コーティングの耐酸化性はγ'相EQコーティング、従来のMCrAlYコーティングに比べて非常に優秀な結果を示した。このコーティングに対して拡散層厚さを50μm以下に抑えることのできる、Reを含まないNi基単結晶超合金を設計し、作製した。作製した合金はTCP相をやや含んでいたが高温クリープ試験では第1世代合金CMSX-2をやや上回る強度を示し、組成の最適化によってより安価で高強度のNi基合金とこれに平衡するEQコーティングの開発が可能であることを明らかにした。 4.第2世代超合金用溶射粉末を作製し、HVOF及びLPPSにより各種合金上にコーティングを施工した。1100℃における拡散処理後の組織観察、高温強度試験による評価を開始した。
|