2007 Fiscal Year Annual Research Report
Ni基超合金におけるTBCシステムのための新ボンドコート技術の開発
Project/Area Number |
18760538
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
川岸 京子 National Institute for Materials Science, 超耐熱材料センター, 主任研究員 (40354295)
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Keywords | Ni基超合金 / コーティング / 熱力学的平衡 / 耐酸化性 / 相互拡散 |
Research Abstract |
γ'-EQボンドコートの耐酸化特性を向上させる添加元素探索を行い、組成の最適化を行い、拡散層の厚さ、酸化速度を検証した。 (1)第2世代Ni基超合金TMs-82+のγ'に対して、0.1-0.5wt%のSi及びY添加を行った。その結果各合金とも1100℃における大気中1時間サイクル繰返し酸化試験において優秀な耐酸化性を示した。0.5wt%Si添加試料は初期酸化による重量増加がTMS-82+γ'より大きく、反って酸化速度が増加していることが推定される。よって、Si及びYのTMS-82+γ'に対する最適添加量は共に0.1wt%であることがわかった。 (2)第5世代Ni基超合金TMS-173のγ'に対して0.1-0.5wt%のSi、Y、Hfの添加を行った。その結果各合金とも安定した酸化膜が形成されて剥離は完全に抑制され、耐酸化性は大きく向上した。初期の酸化による重量増加は0.1wt%Y>0.lwt%Si>0.lwt%Hf>0.5wt%Y=0.5wt%Si=0.5wt%Hfとなり、Si、Y、Hfとも最適添加量は0.5wt%であることがわかった。 (3)溶射用EQコーティング材TMBC-1に対して+0.7wt%A1-0.4wt%Cr、+1.0wt%A1-0.3wt%Cr、+0.5wt%Siの3種の合金を作製し、耐酸化性を評価した。その結果いずれの試料も剥離は起こさず単調な重量増加を示した。TMS-173基材と拡散対を作製し1100℃で300h保持して界面での相互拡散を評価した結果、TMBC-1に対して+0.7wt%A1-0.4wt%Cr合金及び+1.0wt%A1-0.3wt%Cr合金では拡散層の増加が見られた。今後、 Mo量を削減し、Y、Si、Hfを添加するなどしてさらなる耐酸化性の向上をめざす。
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