2006 Fiscal Year Annual Research Report
陽極接合法を利用したガラス材料のレーザ微細加工法の開発
Project/Area Number |
18760542
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松坂 壮太 千葉大学, 工学部, 助手 (30334171)
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Keywords | レーザ加工 / ガラス / 陽極接合 / 微細加工 / マイクロ機能要素 |
Research Abstract |
本研究では,陽極接合法を用いてガラス中に金属微粒子を導入することにより,ガラスのレーザ加工特性の向上を試みた.今年度の研究内容は以下の通りである. 1)陽極接合装置の設計・製作を行い,1.O×10^<-3>Paの高真空中で673K,500Vまでの加熱・電圧印加条件による陽極接合試料の作製が可能となった.なお,これまでに実施したAg-Naイオン交換ガラスとの加工特性の比較検討を行うため,接合金属としてはAgを選定した. 2)ソーダライムガラス上にAg箔(箔厚:10μm)を接合後,表面に残留したAgを酸洗し,UVレーザ(波長:266nm.パルス幅:6ns)照射実験に供した.その結果,イオン交換ガラスの場合と全く同様に,レーザ加工閾値の低下及び表面での割れ欠けの抑制が認められ,未処理ガラスに比べて加工特性の大幅な向上が認められた. 3)EPMA分析により,ガラス内部へのAgの浸入深さを測定したところ,例えば接合時間:900sの試料においても60μm以上の浸入深さが得られており,これはイオン交換時間21600sの試料の浸入深さの約2倍である.即ち,本手法の採用により,短時間でより大きな加工特性向上領域を有するガラスの製作が可能になったと考える. 4)Ag泊をガラス上に設置する方法では,ガラスと箔との密着状態が均一でないため,作製したガラスの着色領域に若干のムラが認められた.そこで,ガラス上にAgめっきを行った後に接合することで,これらの問題を解消した. 来年度は,導入金属種による加工特性の変化の検討,数値解析によるAg浸入深さの予測とそれに基づいた加工特性向上領域の制御,及びマイクロ機能要素の作製を実施する予定である.
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