2006 Fiscal Year Annual Research Report
マグネシウム合金の温間成形におけるスプリングバック特性の解明とその有限要素解析
Project/Area Number |
18760547
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浜 孝之 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (10386633)
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Keywords | マグネシウム合金 / スプリングバック / ハット曲げ成形 / 有限要素法 / 弾粘塑性構成式 |
Research Abstract |
本年度は,研究立ち上げと次年度からの円滑な研究推進を目的として,主として以下の項目を遂行した. (1)ハット曲げ実験金型の作成 まず基準条件(ダイ肩半径5mm,クリアランス1.2mm)のハット曲げ金型を作成し,均一な金型温度分布が得られるヒーター挿入穴の位置,またダイ肩半径やクリアランスを高精度かつ高効率に変更できる金型機構について詳細に検討した.それにより,ダイ肩半径5通り,クリアランス5通りの計25通りもの条件で,常温〜300°の範囲で金型表面全体に亘ってほぼ均一に加熱できる金型を設計製作した.本金型はしわ押さえ力を独立に負荷する機能も有する.実験例として,基準条件下でMg合金の温間ハット曲げ実験を行い,金型温度のスプリングバック量に及ぼす影響を検討した.その結果,予測通り温度を上昇させるほどスプリングバック量が低減した.これより,本金型を用いることで適切な温間成形実験が遂行できることを確認した. (2)弾粘塑性有限要素法解析プログラムの開発 まず,これまで提案されたさまざまな定式化手法を詳細に調査し,本研究で採用する静的陽解法弾塑性有限要素法解析プログラムに導入するのに最も適した手法を検討した.その結果,冨田らによって提案された手法が適切と判断し,それを改良することで全く新しい弾塑性粘塑性有限要素法解析プログラムを開発した.Mg合金の温間角筒絞り成形の解析を行い,他研究者による実験結果と比較したところ,妥当な解析結果が得られることを示した. (3)Mg合金の変形特性に関する調査文献調査により,Mg合金が鋼,アルミ合金といった従来の材料とマクロな変形特性において異なる点を詳細に検討した.その結果,ハット曲げ成形では,(1)オーバーラン時のパンチとの接触による温度変化,(2)曲げ曲げ戻し時の引張り特性と圧縮特性の違い,がスプリングバック量に影響しうることが予測された.また従来の連続体理論に基づく有限要素法解析プログラムでの再現の可否について詳細に検討した.
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