2006 Fiscal Year Annual Research Report
ガス発生期の反応性を利用した廃石膏と廃プラスチックからの資源生成
Project/Area Number |
18760557
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
植田 滋 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (80359497)
|
Keywords | 廃石膏 / 廃プラスチック / 塩化ビニル / ふっ素樹脂 / 廃棄物処理 / 高温プロセス |
Research Abstract |
ハロゲン元素を含有する廃プラスチックと石膏ボード等の廃石膏を反応させふっ化カルシウム、塩化カルシウム、元素硫黄等の資源を回収するプロセスを構築出来れば上記の問題を同時に解決することが可能になる。本研究はハロゲン含有プラスチック分解の際に発生するハロゲン系ガスを廃石膏等の固体廃棄物と反応させ、ふっ化カルシウム、塩化カルシウムなどを生成し固定無害化することを目的とする。今年度は石膏と塩化物およびふっ化物系プラスチックから生成しうるCaF_2、CaCl_2、CaS,CaSO_4,CaOの安定な温度および雰囲気を熱力学的に算出し、その条件をもとにハロゲン含有プラスチックと石膏の反応実験を行った。 所定のモル比でCaSO_4(約1g)と塩化ビニル或いはふっ素樹脂をるつぼ充填し空気雰囲気下で873〜1173Kに所定の時間加熱保持した後、試料を取り出し重量変化及びX線回折より試料の成分および生成率を推算した。CaSO_4と塩化ビニル(C2H3Clを1モルと換算)を1:2で混合したものをるつぼに入れ、973〜1473Kで保持し反応させた。X線回折よりCaCl_2が生成しないことを確認した。CaSO_40.5H20:C2F4=2:1の反応ではX線回折結果より、CaSO_4がC2F4と反応しCaF2を生成することが分かった。反応温度1000K程度以下ではふっ素の固定率は30%程度と一定の値を示していたが、1000K以上では反応温度の上昇に伴い、ふっ素の固定率も上昇し1173Kでふっ素の固定率は48%となった。また、容・器内に未反応のC2F4は存在せずすべて気化或いは反応していた。
|