2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760559
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷川 将克 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (40335203)
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Keywords | 廃棄物処理 / 水素 / 還元鉄 / 環境技術 |
Research Abstract |
本研究は、(1)炭素、水素、酸素を含有する廃棄物(廃プラスチック、廃木材、排紙、シュレッダーダスト等)に酸化鉄を混合したものを高温に急速加熱して無害化し、同時に、(2)水素ガスとCOガス(いずれも燃料ガス)と金属鉄を併産し、かつ、(3)炭酸ガスを生成しない新しい廃棄物処理法を開発することを目標としている。 平成18度は、有機系廃棄物により鉄鉱石が還元されて金属鉄が得られるか、また得られた金属鉄中の不純物濃度を明らかにすることを目的に、(木材+鉄鉱石)混合物と(ポリエチレン+鉄鉱石)混合物を高温に急速加熱してガス化・還元を行った。本実験で用いた、木材と鉄鉱石の混合比(炭素と酸素のモル比C/O=1.1)、及び、ポリエチレンと鉄鉱石の混合比(C/O=2、4)は、いずれも還元後に固体炭素と共存すると予想される混合比である。全量6gの試料を、高周波炉で一定温度(1673K〜2073K)に保持したMgOるつぼ中へ投下した。生成ガスはガスバッグ中に回収し、ガスクロマトグラフィーによってH_2,CO, CO_2,CH_4濃度を分析した。また得られた金属鉄中のCとSiの定量分析を行った。(木材+鉄鉱石)混合物、(ポリエチレン+鉄鉱石)混合物をガス化・還元すると金属鉄とH_2濃度が高濃度で含まれるガスが発生し、CO_2はほとんど生成しなかった。この実験結果は、有機系廃棄物を有効利用して水素と金属鉄が併産できることを示唆している。ガス組成の実験値は、本研究で作成した不均一系の熱力学平衡計算プログラムの計算値とよく一致しており、反応は平衡状態に達していたと考えられる。また得られた金屈鉄中には浸炭が進行しており、スラグ量の増加により浸炭しにくくなる傾向が見られた。一方、金属鉄中のSi濃度は平衡計算値より低く、高炉銑よりも低いSi濃度の還元鉄が得られる可能性が示された。
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Research Products
(6 results)