2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760573
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
畑中 信一 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 助教 (40334578)
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Keywords | ナノチューブ・フラーレン / 超音波 / キャビテーション / 相成化学 / 省エネルギー |
Research Abstract |
フラーレン・カーボンナノチューブの水中超音波合成を目指し、本年度は以下の3つの観点より研究を進めた。 1.ベンゼン水溶液およびアセチレン水溶液への超音波照射による生成物の同定 ベンゼン・アセチレン水溶液への超音波照射で、不溶性のスス状物質が析出し、そのTEM観察から、固体はナノオーダーの微粒子が凝集したもので、一部グラファイト化していることがわかった。さらに、それをラマン分光し、生成物のラマンスペクトルは活性炭と非常によく似たピークを示し、低結晶性の炭素材料であることがわかった。また、赤外吸収スペクトルにより、固体中にフェニル基、カルボニル基、ヒドロキシル基、メチル・メチレン基を持つ物質が含まれることがわかった。 2.異なる炭素源による生成物および中間生成物の比較 水中合成における炭素の供給方法を、溶解度以下の微量ベンゼンによる液体での供給およびアセチレンガスによる水上気体での供給と2通りの方法で行い、その生成物および中間生成物を比較した。その結果、析出固体は、TEM観察、ラマンスペクトル、赤外スペクトルとも大きな違いはなく、炭素源に大きく依存しないことがわかった。一方、中間生成物の分析により、初期生成物に違いはあるが、時間経過とともに同様の反応経路をたどることが示唆された。なお、ベンゼンではビフェニルが多く生成したが、アセチレンでは検出されなかった。 3.異なる音場および媒質による超音波合成反応の比較検討 有機溶媒では20 kHzのホーン型(進行波音場)で、水溶液では200 kHzの洗浄器型(定在波音場)で固体ススが生成されるが、それと逆の媒質と装置の関係では、数十時間の照射後もほとんど変化が見られなかった。さらに、20 kHzの洗浄器型を比較し、炭素固体生成が周波数への直接的な依存ではなく、音場によるキャビテーション・ダイナミクスの変化に大きく依存していることがわかった。
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Research Products
(4 results)