2006 Fiscal Year Annual Research Report
表面単分子層修飾による酸化物ナノ粒子の2,3次元ビルドアップ
Project/Area Number |
18760577
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
高見 誠一 独立行政法人物質・材料研究機構, 半導体材料センター, 主幹研究員 (40311550)
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Keywords | 酸化物ナノ粒子 / 表面修飾 / 有機分子複合化 / 水熱合成 / 複合配列化 / ナノ粒子 |
Research Abstract |
本研究は、酸化物ナノ粒子表面に有機分子を複合化し、有機分子間の相互作用を利用して酸化物ナノ粒子を2ないし3次元で配列、構造形成することを目的としている。本年度は酸化セリウムナノ粒子表面上に様々な有機分子の複合化を試み、これを実現した。 酸化セリウムナノ粒子は、硝酸セリウム水溶液と熱水とを流通式反応装置の中で混合することにより合成した。合成された粒子は50nm程度の粒子径を有していた。ここで、ヘキサン酸を原料水溶液に混合し、ヘキサン酸存在下で酸化セリウムナノ粒子を合成することにより、3〜4nm程度の粒子径を持つ酸化セリウムナノ粒子が生成された。この粒子の赤外線吸収スペクトルから、粒子表面にヘキサン酸が複合化されていることが明らかとなった。粒子径の減少は、ヘキサン酸が表面に複合化されたことにより、粒子の成長が抑制されたためであると考えられる。このようにして、ヘキサン酸を酸化セリウムナノ粒子の合成場に共存させることにより、ヘキサン酸を表面に複合化させることに成功した。同様に、アジピン酸や6アミノヘキサン酸などを用いることにより、カルボキシル基やアミノ基を呈示した酸化セリウムナノ粒子を合成することに成功した。上記の手法で合成された酸化セリウムナノ粒子は、表面に呈示されている官能基に応じて、親水性/疎水性を示すほか、アルカリ、酸溶液中での分散安定性を示しており、ナノ粒子表面に固定した有機分子によって表面特性を制御することにも成功した。
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