2006 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマスガス化で生成するタールの新規流動層酸化改質反応に関する研究
Project/Area Number |
18760578
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
古澤 毅 宇都宮大学, 工学部, 助手 (50375523)
|
Keywords | バイオマス / ガス化 / タール / 酸化改質反応 / 触媒 / 流動層 / 炭素析出 / 硫黄 |
Research Abstract |
再生可能エネルギー源であるバイオマスのガス化によって水素等の燃焼ガスを生成することはエネルギー・環境問題を解決し、循環型社会を構築する上で重要である。しかし、ガス化技術には問題点が数多くあり、その中でも配管閉塞やガス化率の低下を促すタールの分解が最難題である。この点を解決するため、既報ではNi系触媒等を固定床に充填し、二次的にスチームを供給し、700-900℃で改質反応を行なっていたが、炭素析出や硫黄被毒により失活すると報告されている。そこで、本プロジェクトではO_2を二次的に供給しタールを部分燃焼し(発熱反応)、その発熱をタールのH_2O/CO_2改質反応(吸熱反応)に利用し、タールのオートサーマル改質反応を流動層で行うこととした。この方法により、炭素析出を大幅に抑制するだけでなく、硫黄を酸化しSO_2として放出するので、硫黄による触媒被毒を防ぐことができると考えた。 本年度の研究計画は、「ナフタレンのオートサーマル改質反応応用流動層装置の作製および試運転」であり、最初に流動層反応装置の作製を試みた。一番の難関はナフタレン/ベンゼン混合溶液を配管内に閉塞させずに送液する点である。数々の試行錯誤(溶液濃度・リボンヒーターによる加熱)を重ねた結果、円滑な送液が可能となり、実験装置が完成した。また、実験装置から得る結果が妥当であるかを判断するため、Ni/MgO触媒を用いてCH_1の酸化改質反応を行った。最小流動化速度の1/4の流速・反応温度700℃にて、酸化改質反応・H_2O改質反応・CO_2改質反応・部分酸化反応の素反応を検討し既報の結果と比較した際、妥当な結果であることが分かった。さらに、最小流動化速度・反応温度550℃にて酸化改質反応を検討した結果、Ni/MgO触媒はNi/dolomite触媒よりも高活性であることを確認した。以上のことから、本年度の目標であった実験装置の作製と試運転が達成できたと考える。
|