2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760584
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
奥村 和 Tottori University, 工学部, 助教 (30294341)
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Keywords | ヘテロポリ酸 / Friedel-Craftsアシル化反応 / Dawson型ヘテロポリ酸 / ポリオキソメタレート / 環境調和型触媒反応 / 固体酸触媒 / NH_3-TPD / EXAFS |
Research Abstract |
Keggin型混合ヘテロポリ酸であるH_4PNbW_11O_40をWO_3-Nb_2O_5酸化物と混合し、500℃で焼成することにより、部分的にKeggin構造が熱分解されたヘテロポリ酸フラグメント触媒を調製した。この触媒はさまざまなカルボン酸をアシル化剤としたFrfeael-Craftsアシル化反応に高活性・再利用性を示した。アニソールとドデカン酸による反応では、固体触媒を分離することで反応は完全に停止し、固相中で反応が進行していることが確かめられた。焼成温度とアシル化反応活性の関係を調べたところ、本触媒の活性は焼成温度に対して敏感に変化し、500℃で焼成した場合に最大活性を示すことがわかった。アンモニア昇温脱離法により酸性質を調べたところ、焼成にともなって新たなブレンステッド酸点が発現しており、焼成温度に対する酸量の変化と触媒活性の傾向が一致していたことから、この新たな酸点が触媒活性点である例と考えられた。500℃で焼成したH_4PNbW_11O_40-WO_3-Nb_2O_5触媒を用い、流通式反応装置により連続的にアニソールとドデカン酸によるFriedel-Craftsアシル化反応をおこなったところ、この触媒は少なくとも1週間にわたって安定した活性を示し、液相流通反応にも使用できることが確かめられた。一方、通常よく利用されるベータ型ゼオライトいて同条件で流通反応を行うと、O-アシル化されたエステルであるドデカン酸フェニルが主生成物として得られ、ケトンであるp-メトキシドデカフェノンの収率は低かったことがら、H_4PNbW_11O_40-WO_3-Nb_2O_5が従来の触媒に比べ、優れたアシル化性能を示すことが確かめられた。
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