2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760584
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
奥村 和 Tottori University, 工学研究科, 助教 (30294341)
|
Keywords | ヘテロポリ酸 / Friedel-Craftsアシル化反応 / Dawson型ヘテロポリ酸 / ポリオキソメタレート / 環境調和型触媒反応 / 固体酸触媒 / 昇温脱離 / EXAFS |
Research Abstract |
リン酸-酸化タングステン-酸化とオブからなる酸化物触媒を、リン酸、シュウ酸ニオブ、タングステン酸アンモニウム水溶液を混合し、蒸発乾固体・焼成することによって調製した。この触媒はフリーデル・クラフツ反応に高活性を示した。その触媒活性および再利用性は焼成温度に強く依存し、773Kで焼成した場合に最も優れた触媒性能を示すことが分かった。構造と酸性質に関する種々の検討により、触媒調製時にニオブ原子を含んだケギン型ヘテロポリ酸(H_4PNbW_<11>O_<40>)が生成し、これが773Kで部分的に熱分解することにより高活性な触媒が形成されることが分かった。NH_3-TPDにより酸性質を調べたところ、比較的強い新たな酸点が形成し、この酸点の量は触媒活性とよく対応した。H_4PNbW_<11>O_<40>をあらかじめ合成し、これとNb_2O_5-WO_3と混合し、773Kで焼成した触媒はさらに高い活性を示し、一週間にわたる流通式の連続反応も可能であった。ニオブを含むドーソン型ヘテロポリ酸(H_9P_2Nb_3W_<15>O_<62>)を原料とし、これをシリカに担持した触媒では、活性および耐熱性がさらに向上することを見出した。特に743Kで焼成した試料では温水に対しても耐溶解性を示すことが分かった。IR, EXAFS, ^<31>PNMRに検討により、ヘテロポリ酸を担持した際にNb原子がドーソン型構造から外れ、構造の一部が欠損したヘテロポリ酸がシリカ上で形成しているものと考えられた。以上のようにニオブ原子を含むヘテロポリ酸を前駆体として使用することで、熱分解過程においてフリーデル・クラフツに活性な触媒が形成されることがわかった。
|