2006 Fiscal Year Annual Research Report
酵素触媒重合法による新規バイオポリエステルの合成と医療材料への応用
Project/Area Number |
18760587
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 康治 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (30360928)
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Keywords | バイオテクノロジー / 酵素 / 生体材料 / 高分子合成 |
Research Abstract |
ある種の微生物はその体内にpolyhydroxyalkanoate(PHA)を蓄積する。これは生分解性プラスチックや医療材料への応用が期待されている。従来のPHA合成は微生物そのものを用いる発酵法により行われてきたが、PHAのモノマー構造や分子量をコントロールする酵素を用いたin vitro PHA合成系の構築について検討した。これまでに5種類の酵素(acetyl-CoA synthetase(Acs)、β-ketothiolase、acetoacetyl-CoA reductase、PHA synthase、Glucose dehydrogenase)を組合わせ、acetateを原料として代表的なPHAであるpoly(3-hydroxybutyrate)(P(3HB))の合成に成功している。本系にてモノマーユニットとして3-hydroxyvalerate(3HV)ユニットを含むコポリマーP(3HB-co-3HV)の合成について検討した。3HVユニットを導入するため反応系にacetate(C2)とpropionate(C3)を添加した。これらはそれぞれacetyl-CoAおよびpropionyl-CoAへ変換された後、縮合、還元され3HV-CoAとなり重合されると考えた。Acetateとpropionateの比を1:1として反応させた結果、3HVユニットを7.1%含むポリマーが3.3mg得られた。Acsの基質特異性について調べたところ、propionateに対する活性がacetateに対する活性の1/5であり、これが低い3HV分率の原因と考えられた。現在は長鎖長のアルカン酸を基質とするacyl-CoA synthetase等の精製し、3HVユニット分率の上昇や新規モノマーユニットからなるPHAの合成について検討を進めている。
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