2008 Fiscal Year Annual Research Report
クオラムセンシングシグナルの分解系を用いた細菌病制御技術の開発
Project/Area Number |
18760588
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
諸星 知広 Utsunomiya University, 工学研究科, 助教 (90361360)
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Keywords | クオラムセンシング / アシル化ホモセリンラクトン / 植物病原菌 / ラクトナーゼ / 拮抗微生物 / 防除技術 |
Research Abstract |
本年度は、AHL分解遺伝子を用いた植物病原菌の病原性抑制効果の検証を行った。さらに、新たなAHL分解活性を有する細菌のクローニングも行った。 植物病原菌に導入するAHL分解遺伝子として、Bacillus cereus由来のAHLラクトナーゼ遺伝子(aiiA)を用いた。aiiAを広範囲宿主ベクターにクローニングし、このプラスミドを様々な植物に感染する植物病原菌Pantoea ananatis SK-1株に導入した。その結果、aiiAを導入したSK-1株はAHL生産が完全に消失し、病原性因子と考えられる菌体外多糖生産も低下していた。さらに、aiiAを導入したSK-1株をタマネギ葉に接種したところ、タマネギ葉への感染がほとんど見られなくなった。以上より、植物病原菌Pananatなによる感染症の防除に、AHL分解遺伝子が有用であることが明らかとなった。 また本年度は、昨年度まで実施したアユ腸内フローラ以外の環境中から、AHL分解活性を有する細菌のスクリーニングを行った。スクリーニング対象として、植物葉面に生息する非病原性共生菌を用いた。植物葉面からランダムに約100株の細菌を単離し、それぞれについてAHL分解活性を調べた。その結果、16株のAHL分解細菌を単離し、それら全てが様々なアシル基構造を有するAHLに対して高い分解活性を有することが明らかになった。また、AHL分解細菌の細菌種を同定したところ、大部分がこれまでに報告のない、新規のAHL分解細菌であることが明らかとなった。今後は、これらのAHL分解細菌を植物病原菌に対する拮抗微生物として用いることで、新しい植物病防除技術へ発展する可能性が考えられる。
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Research Products
(5 results)