2006 Fiscal Year Annual Research Report
磁性細菌粒子膜への膜貫通タンパク質の発現に向けた粒子膜改変に関する研究
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18760596
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
吉野 知子 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 特任助教授 (30409750)
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Keywords | 膜貫通タンパク質 / 脂質二重膜 / 磁性粒子 / アンカー / 形質転換 / 磁性細菌 |
Research Abstract |
本研究は、膜貫通タンパク質を、磁性細菌から得られる脂質二重膜で覆われた磁性粒子(磁性細菌粒子)上にアセンブルするために、遺伝子工学的手法による効率的発現、および粒子膜の脂質・タンパク質のリアレンジによるターゲットタンパク質の機能化を行い、磁性粒子-膜タンパク質複合体を新たに作製することを目的とした。磁性細菌粒子膜プロテオーム解析により単離されたタンパク質Mms13を粒子膜局在用のアンカー分子とし、膜7回貫通型であるドーパミンレセプターの1〜7回貫通領域をそれぞれ融合した。このときドーパミンレセプターのN末及びC末にFLAGタグ(DYKDDDDK)及びHisタグ(HHHHHHH)を設計し、膜貫通タンパク質の配向性を評価するためのタグを導入した。これらの融合タンパク質をコードするDNA断片を磁性細菌で複製可能なプラスミドに導入し、このプラスミドを用いて磁性細菌を形質転換した。その結果、膜2回貫通タンパク質であるMms13にドーパミンレセプターの1〜4回貫通タンパク質を融合した遺伝子を保持した形質転換体においては、抗生物質下で生育が観察された。一方で6,7回貫通タンパク質を融合した遺伝子を保持した形質転換体は得られなかった。また1回貫通タンパク質を融合した遺伝子を持つ形質転換体から磁性粒子を抽出し、アルカリフォスファターゼ(ALP)標識の抗FLAGタグ抗体、および抗Hisタグ抗体を用いて粒子上における膜貫通ドメインの発現を確認した。その結果、Mms13に融合した1回貫通領域のNおよびC末端が共に粒子表面に局在していることが示された。本手法を用いることにより、各膜貫通ドメインの配向を評価することが可能であると考えられた。
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Research Products
(2 results)