2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒューマンマイクロコンソーシアム解析のための基盤技術開発
Project/Area Number |
18760597
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
横内 裕子 早稲田大学, 付置研究所, 助手 (50398939)
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Keywords | バイオセパレーション / 微生物ゲノム / 分子生態 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
ヒューマンマイクロコンソーシアムの一例として、ヒトの皮膚常在菌の解析を実施した。0.1% tritonX100添加したリン酸緩衝液を浸み込ませたスタンプを額、頬、顎に2分間軽く圧着し、スタンプをリン酸緩衝液で洗浄することで皮膚上の細菌を採集した。SCD寒天培地およびGAM寒天培地に塗布し、好気および嫌気条件で培養したところ、それぞれのサンプルには少なくとも10^2-10^5cells/mlの細菌が存在することが示された。さらに、得られたコロニーから16S rDNAを増幅し、シークエンス解析を行ったところStaphylococcus sp.およびPropionibacterium sp.が大部分を占めることが明らかとなった。様々な種類の細菌が混在したメタゲノム解析において、このような一部の優占種の存在は解析効率を低下させ、そのサンプルの多様性の把握を困難にすることが示唆される。そこで、多種類の細菌を均一に回収するためにフローサイトメーターによる細胞回収の検討を行った。Synechocystis sp.およびE.coliをそれぞれ10^7cells/mLに調整し、フローサイトメーターにより前方散乱光(FS)を解析したところ、それぞれ異なる位置にピークが確認され、細胞サイズを指標とした分取が可能であることが示された。また、Synechocystis sp.を用いてmultiple displacement amplification(MDA)法による全ゲノム増幅を行い、増幅産物をクローニングし挿入配列を解析したところ、一部にキメラと考えられる配列が認められた。そのため、異なる細菌からのゲノムの混合を防ぐ必要があることからエマルジョン中に1細胞を封入しMDAを行うことが有効と考えられる。そこで、様々な界面活性剤を用いて均一なエマルジョンの形成と細胞分離の検討を行っている。
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Research Products
(2 results)