2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒューマンマイクロコンソーシアム解析のための基盤技術開発
Project/Area Number |
18760597
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
横内 裕子 Waseda University, 付置研究所, 講師 (50398939)
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Keywords | バイオセパレーション / 微生物ゲノム / 分子生態 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
本研究は、ヒトに関わるマイクロコンソーシアム解析のための基盤技術を提供することを目的として、様々な種類の生物の混在した極微量な生体試料から特定の微生物の選択的な回収とゲノム増幅の検討を行った。まず、ヒューマンマイクロコンソーシアムの一例として、皮膚常在菌の多様性解析のために7人の被験者から、3ケ月毎に3回、肌に表在するバクテリアを回収し、培養法と分子生物学的手法によりバクテリアの同定を行った。培養による好気および嫌気性細菌は0.2〜7.5×10^〜5 CFU/mL検出され、それぞれの被験者と採集時期で菌数が大きく異なっていることがわかった。16S rDNAの相同性解析の結果では、Actinobacteria、 Firmicutes、 alpha-, beta-, delta-, gamma-Proteobacteria、 Cyanobacteriaに属する多様なバクテリアの存在が明らかになったが、すべてのパネルから皮庸常在性菌であるStaphylococcus epidermidisとPropionibacterium acnesが優占的に存在していた。また、Prosthecochloris vibrioformisやSinorhizobium terangaeと90%程度の相同性を示す未知微生物の存在が示唆された。これらの配列は、培養できる菌体が少ないサンプルから主に換出されており、新規な微生物の精度の高い検出と特定には細胞分離による優占種の除去が必要であること示唆された。そこで、フローサイトメーターによる細胞回収の検討を行ったところ、細胞サイズを指標とした分取が可能であることが示された。また、multiple displacement amplification (MDA)法による全ゲノム増幅とエマルジョンPCRを組み合わせたエマルジョンMDAの検討を行った。
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