2006 Fiscal Year Annual Research Report
分割した転写因子の機能回復によるタンパク質相互作用検出法の開発
Project/Area Number |
18760599
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
宮地 寛登 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオニクス研究センター, 研究員 (50358131)
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Keywords | バイオテクノロジー / 生体機能利用 / 蛋白質 |
Research Abstract |
本研究は、迅速、簡便かつハイスループット解析に適したタンパク質相互作用検出法の開発をおこなうことを目的とする。初年度は、無細胞タンパク質合成技術を用いたタンパク質相互作用検出系を構築することを目標とした。そこでまず、転写酵素(T7 RNA polymerase : T7 RNAP)の立体構造に着目して転写活性が失活するよう酵素を2分割した。つぎに、分割したRNAPにそれぞれ候補タンパク質を連結した構造を有する2種類の鋳型DNAを構築した。鋳型DNAはそれぞれT3プロモーター配列、リボゾーム結合配列、転写ターミネーター配列を有しており、無細胞タンパク質合成反応液中にT3 RNAPを添加すると2種類の融合タンパク質を試験管内で同時に発現させることができる。これら融合タンパク質は、それぞれ単独ではT7 RNAPの転写活性を持たない。 しかし、発現した候補タンパク質間で相互作用が認められた場合のみT7 RNAPの転写機能回復が起こり、このとき機能回復したT7 RNAP活性によりレポータータンパク質としてT7プロモーター配列の下流に配置した蛍光タンパク質(GFP : Green FluorescentProtein)を発現させることができると考えた。この結果、候補タンパク質として相互作用が認められない2種類のタンパク質を融合タンパク質として発現させた場合、蛍光シグナルは確認できなかった。一方、相互作用することがわかっている2種類のタンパク質を発現させた場合、GFP由来の蛍光タンパク質の発現が認められた。これは、候補タンパク質の相互作用により転写活性を持たない分割したRNAPの機能回復によるものと示唆された。これらの結果から、無細胞タンパク質合成反応を応用した新たなタンパク質相互作用解析系の構築ができたと考える。
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Research Products
(1 results)