2007 Fiscal Year Annual Research Report
分割した転写因子の機能回復によるタンパク質相互作用検出法の開発
Project/Area Number |
18760599
|
Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
宮地 寛登 Tokyo University of Technology, バイオニクス学部, 助教 (50358131)
|
Keywords | バイオテクノロジー / 生体機能利用 |
Research Abstract |
タンパク質は、細胞内で相互作用して機能していることが知られている。タンパク質-タンパク質相互作用の解析は、細胞内においてタンパク質の機能を理解する上で極めて重要である。しかし、既存の解析法として用いられる酵母のTwo Hybrid Systemは、煩雑な操作を要し、検出するまでに長時間を要した。そこで、本研究では迅速かつ簡便なタンパク質相互作用解析法の開発を試みた。 本研究は、無細胞タンパク質合成技術を用いタンパク質を試験管内で発現し、発現したタンパク質間で相互作用が起きた時のみ蛍光強度が変化する機構を利用した解析系を確立することを目的とした。このため、転写因子(RNA polymerase:RNAP)の立体構造に着目して転写活性が失活するよう酵素を2分割し、分割したRNAPにそれぞれリンカーを介して候補タンパク質を連結した構造を有する2種類の鋳型DNAを構築した。鋳型DNAにはそれぞれプロモーター配列が付加されており、無細胞タンパク質合成反応液中で2種類の融合タンパク質を同時に発現できるよう工夫してある。構築した鋳型DNAを無細胞タンパク質合成反応系に滴下した結果、発現した候補タンパク質間で相互作用が認められた場合のみRNAPの転写機能が回復し、このとき回復した転写機能により蛍光タンパク質を発現することで、蛍光測定によるタンパク質の相互作用解析ができることがわかった。既存のタンパク質相互作用検出とは異なり、本法はPCR(Polymerase Chain Reaction)産物などからクローニング、タンパク質大量発現や固定化する過程を経ることなくタンパク質相互作用の解析ができる。相互作用解析したいタンパク質のcDNAから相互作用解析に必要な時間は3時間程度であった。
|
Research Products
(1 results)