2006 Fiscal Year Annual Research Report
構造・環境・制御の相互作用によるグローバルストラクチャーの研究
Project/Area Number |
18760601
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石村 康生 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 助手 (10333626)
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Keywords | 太陽発電衛星 / ポテンシャルエネルギー / 分散システム / インフレータブル構造 / テザー / グローバルストラクチャー |
Research Abstract |
軽量・大規模かつ安定な宇宙構造システムの構築を目的として以下の3つの研究を行った. 課題1:重力傾斜を利用したマルチテザー方式による巨大膜面維持に関する検討 太陽発電衛星,ソーラーセイルに代表される宇宙構造物においては,その巨大膜面の形状維持が重要な課題である.ここでは,環境力として重力傾斜を利用したマルチテザー方式による巨大膜面の形状維持検討した.特にその安定性の評価を行い,熱変形による姿勢運動と構造振動の連成が生じる可能性を明らかにした.また,ここでは構造・環境をポテンシャル関数で記述した.次年度は,これにポテンシャル関数で記述された制御力を導入することで,構造・環境・制御を統合的に扱う理論体系を整備する. 課題2:フォーメーションフライトの基礎技術としての超小型衛星の姿勢制御 3kg以下の超小型衛星HIT-SATの姿勢制御系を開発し,9月に打ち上げ・運用を行った.その結果,このクラスの衛星としては初めての能動的な制御による角速度変更を実証した.残念ながら太陽指向に至る指向制御の成功には至らなかったが,軌道上における磁気トルカの制御力,外乱等の基礎データを取得することができた.これらのデータは次年度にフォーメーションフライトを利用したグローバルストラクチャーの設計に利用する. 課題3:マルチセルインフレータブル構造の基本特性評価 柔軟・軽量な構造の基本要素として,本研究では薄膜を用いた内圧維持型のインフレータブル構造を検討している.膜面要素と本年度は,このマルチセルインフレータブル構造特性の基礎特性を評価した.特に,面内剛性の評価,デブリに対する耐性を明らかにした. 次年度は,本年度実施した上述の要素技術の統合によって,構造・環境・制御の相互作用によるグローバルストラクチャーの設計・開発を行う予定である.
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