2006 Fiscal Year Annual Research Report
極超音速飛翔体周りに生ずる非平衡流中の炭化ケイ素アブレーションの挙動解明
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18760604
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
舩津 賢人 群馬大学, 工学部, 助手 (50323332)
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Keywords | 航空宇宙工学 / 高速高温流体力学 / アブレーション / 分光計測 / 炭化ケイ素 |
Research Abstract |
本研究課題では受動的熱防御材料として炭化ケイ素を選定し、熱化学的に極めて非平衡状態である高温度衝撃層プラズマにより発生する炭化ケイ素アブレーション物質の物理化学的な挙動を実験的・数値的に明らかにするとともに、高温度プラズマが熱防御材料に及ぼす熱的影響について探ることを目的とした。以下に主な得られた結果を示す。 1.炭化ケイ素材料の耐熱シールドとしての有効性を探るため、超小型極小プラズマジェット発生装置を用いたアブレーション試験を行った。(1)炭化ケイ素系材料(SiCおよびSiC/SiC)の質量損失速度は炭素系材料(CおよびC/C)の約1/6〜1/10であり、この観点から有効なアブレーション材料であることがわかった。(2)高速度ビデオカメラを用いて撮影したアブレーション試験時の炭化ケイ素系材料の表面近傍の様子から、発光した小片の飛び出しはほとんど観測されず、材料表面にはプラズマジェットの加熱よって生じた液状化物質が形成されていることがわかった。(3)EPMAを用いた炭化ケイ素系材料表面の定量分析から、アブレーション試験後に酸素の増加が確認された。これより材料表面では酸化反応が生じていることがわかった。(4)炭化ケイ素アブレーションの分光計測において、試料上流にSi原子線が検出された。このことから、アブレーションによってSiガスが試料上流まで噴き出していることがわかった。また、ガス化したCと空気プラズマジェット中の窒素が活発に反応し、CNが生成されていることがわかった。 2.極超音速流中の飛翔体周りに生ずる炭素アブレーションを伴う岐点流線上の衝撃層について、多温度モデルを考慮した融合衝撃層理論に基づき解析し、炭素に起因するアブレーション生成物質の熱流体力学的特性を明らかにした。
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