2008 Fiscal Year Annual Research Report
非対称小規模海底構造物を用いた航路埋没防止技術の開発
Project/Area Number |
18760621
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
押川 英夫 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (80311851)
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Keywords | 非対称構造物 / 波浪エネルギー / 底質輸送制御 / 航路埋没防止 |
Research Abstract |
本工法は, 波浪によって生じる往復流場に非対称形状を有する構造物(BaNI(ブロック)を複数個設置することにより, 海底付近に波の一周期平均的な一方向流れ(以後, 残差流と呼ぶ)を任意の方向に生成させ, 底質移動の自在な制御を図る技術である. これまでは, 主として規則波を対象にした室内実験や数値シミュレーションで本システムの有効性について検討を行ってきた. 今年度は, 本工法の更なる効率化を目指して, 規則波を用いてBaNKブロックの横断方向の適切な設置間隔について検討した(実験A). 更に, 2次元不規則波浪場における本技術の効果を検討した(実験B). 実験Aに関して, 構造物周辺の局所的な岸沖方向の無次元平均残差流速Umを, ブロックの直径Dで無次元化された横断方向間隔(≡s/D)に対してプロットしたところ(実験はs/D=1.5〜3.0で実施), s/Dが小さくなるのに伴って底面付近に生成される残差流が強くなることが分かった. しかしながら, sが小さくなるとブロックの個数が増えて非効率となることから, 横断方向のブロック一個あたりに生成される残差流を無次元化した指標により効率を含めて適切なsを評価したところ, 効率的な横断方向間隔はs/D=2.5程度と判断された. 実験Bに関して, 構造物周辺の局所的な岸沖方向の無次元平均残差流速U_mを波の非線形性を表すアーセル数(≡Ur)に対してプロットすると, 不規則波ではUrの増加に伴ってほぼ線形的に残差流U_mが増加すること分かった. これにより, 不規則波の波浪条件が設定されれば, 底面付近に発生する平均的な残差流速をある程度予測できることとなった.
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