2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760622
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中谷 直樹 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (30326277)
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Keywords | 海洋生態 / 環境変動 / 生態系修復・整備 / 海洋保全 / 環境技術 |
Research Abstract |
本研究においては,まず既存の生態系モデルから得られる,状態量及びフラックス量を用いて,生態系全体の構造評価,各物質循環フラックスの機能評価,さらに系の時空間変動の評価を定量的に行う新たな指標群の作成を行い,数値実験や感度解析などを用いて,構築した指標群の検証を行う.次に,様々な海域及び状態の生態系モデルを構築して,それぞれの環境の状態における評価項目の状態空間をデータベース化する.データベースより環境状態の性質を抽出・分類して,各環境状態との相関を明らかにし,客観的に判断できる評価手法の構築を行うことを目的としている. 今年度は,既存の生態系モデルで様々な環境指標の検討を行った.生態系を機能させている構成要素として,群集(community),エネルギー,物資循環の三つを考える生態学にならって,既存の生態系モデルを用い,群集構造の変化のモデルを付け加えることや,群集間の物質循環に伴うエネルギーフローを定量的に表現するとともに,エクセルギーと呼ばれる利用可能エネルギーの概念を使って生態系においてエネルギーの使われ方について考察を行った.その結果,特に生態系のエネルギーの流れとその利用の仕方を示すエクセルギーフローが生態系の機能を評価する意味で重要であることが明らかになった. さらに本研究では,いくつかの対象海域において評価指標を計算・比較し,評価手法の妥当性を検討するため,様々な海域を対象とした生態系モデルを構築する必要がある,生態系モデルの構築のためには,対象海域の詳細な環境データが必要であるため,水質・底質分析などを行った.
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