2007 Fiscal Year Annual Research Report
音響レンズを利用した水中監視用実時間高分解能映像装置開発の研究
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18760624
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Research Institution | Independent Administrative Institution Port and Airport Research Institute |
Principal Investigator |
松本 さゆり Independent Administrative Institution Port and Airport Research Institute, 施工・制御技術部, 任期付研究員 (90317751)
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Keywords | 水中音響レンズ / 音線理論 / PE法 / 映像装置 |
Research Abstract |
音響レンズを用いた実時間画像取得装置を開発することを目標として、主に水中音響レンズの設計・製作、そのレンズに対し解析的・実験的に性能の比較を行ってきた。 1. 像ボケの少ない水中音響レンズとするための検討 A.ボケの原因となる屈折率の変動について レンズ部材(ここではアクリル)の屈折率の水温への依存性を18年度に取得し、設計要件のひとつとして盛り込むことが可能となった。19年度においては、より適切な水中音響レンズ部材の調査を開始した。引き続き調査を継続する。 B.ボケの原因となる複数枚レンズ間での多重反射を低減について 平成18年度特定萌芽的研究からの引き続きであるが、光学分野で効果を上げているレンズ部材の表面に凹凸パターンを施す方法について、いくつか条件を変えて水中音響レンズにも充分な効果があることを明らかにした。レンズ表面への実装に向けてさらに詳細検討を継続する。 2. 水中音響レンズに設計法の確立 光学系レンズ設計ソフトを用いた幾何光学(音響学)的設計によるレンズの収束特性と、波動解析的・実験的な収束特性とは合致しないことが知られている。そこで、昨年度に引き続きレンズBを用いて詳細な音場計測と波動的解法との結果が良く一致することを確認した後、音線追跡法により詳細に検討を行ったところ、収束特性のズレが幾何音線的にかなり正確に予測できそうであると分かった。 3. 受波器アレイの設計・試作 光学的レンズ設計法に従うと、レンズ後方の音場を3次元的に捉えることで、結像性能を評価できることが分かった。実験で使用しているニードルハイドロホン(センサ部の直径1.0mm)、前述のセンサを保持する3軸ステージの移動ピッチ0.5mmであり、受波器をアレイ化するよりも空間サンプリングが高いと考えられる。よって、ここでは設計・試作は実施せず、受波器アレイの設計目標値を得るのみとした。
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Research Products
(7 results)