2006 Fiscal Year Annual Research Report
トリチウム水の近赤外分光による高感度検出技術の開発
Project/Area Number |
18760635
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小林 かおり 富山大学, 理工学研究部(理学), 助手 (80397166)
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Keywords | トリチウム水 / 高分解能分光 / 近赤外 |
Research Abstract |
水素の放射性同位体であるトリチウム(^3H, T)は原子炉由来の核反応により生成されるため、その検出には常に高い関心がもたれている。本研究ではトリチウムの有力な化学形態であるトリチウム水の新たな検出手段として近赤外領域の高感度・高分解能分光を行う。トリチウム水の振動遷移(O-H結合の倍音(2_<V3>))の観測のために、これまでと異なる周波数である1.38ミクロン帯の外部共振器型半導体レーザー(科研費による購入品)を導入し、その動作確認を行った。この新しいレーザーの導入に合わせて移動が容易なノートパソコンによるLabVIEW(科研費による購入品)を用いたレーザー制御・データ入出力システムも作成中である。 必要なトリチウム水はトリチウムを含有する水素ガスを酸化銅雰囲気下で反応させて生成させる。トリチウムの放射性を考慮してトリチウム水を作る反応系からレーザー光と相互作用させるセル、さらに実験終了時のトリチウム水回収まで考慮した高密閉型の容器を準備する必要がある。これを窓材以外はステンレスで作成し、近赤外光に適したパイレックスの窓を取り付けた。軸方向に長く直径の小さな円筒形とすることで光路長を稼ぎトリチウムの使用量を少なくした。HDOによるシステム動作再確認後に富山大学水素同位体科学研究センターの施設へ移設し、トリチウム水を用いた高分解能分光測定を行う予定である。
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