2006 Fiscal Year Annual Research Report
磁場構造の差異を超えたヘリカルプラズマ内部輸送障壁形成物理の系統的理論研究
Project/Area Number |
18760638
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
横山 雅之 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (60290920)
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Keywords | ヘリカルプラズマ / 内部輸送障壁 / 磁場構造 / 実効ヘリシティ / 衝突周波数 / 径電場遷移 |
Research Abstract |
LHD・CHS(ともに核融合科学研究所)、TJ-II(スペイン)、W7-AS(ドイツ)といった種々のヘリカル系プラズマ閉じ込め実験装置において共通に観測されている「プラズマ中心部の急峻な電子温度勾配」に関する系統的理論研究を展開した。これらの実験観測の背景として、低衝突周波数領域におけるヘリカル系特有の径電場分岐性(大きな正の径電場:電子ルート)が共通の物理機構であることを、高精度の新古典輸送計算に基づく両極性径電場解析と実験での径電場計測との対照から高い定量性を持った形で明確にした。電子ルートへの遷移がこの電子のエネルギー閉じ込め改善にとって本質的であることが明確になったので、この共通現象の総称として、「中心部電子ルート閉じ込め(Core Electron-Root Confinement, CERC)」という名称を提唱し、国際的にも受け入れられた。 また、異なった磁場構造特性を低衝突周波数領域における新古典輸送特性という観点から統一的に評価するために、実効ヘリシティの概念を活用し、これら4配位での実効ヘリシティ評価に基づいて、CERC発現領域が、実効ヘリシティが大きな配位では高衝突周波数側にシフトする(より低い電子温度あるいは高いプラズマ密度で可能となる)ことを、理論的にも、また、蓄積された実験データからも明確にした。この新知見に基づいて、建設中のW7-X装置(ドイツ)、NCSX装置(米国)でのCERC発現可能性、その衝突周波数領域の相違に関しても予測を行った。 2006年10月のIAEA核融合エネルギー会議(中国・成都)において、この研究内容は口頭発表に採択され、さらに、磁場閉じ込め核融合のサマリーにおいても取り上げられるなど、国際的評価も高い。
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Research Products
(1 results)