2006 Fiscal Year Annual Research Report
核融合プラズマ中の電位及び密度揺動計測を指向した高エネルギー重イオン検出器の開発
Project/Area Number |
18760640
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
井戸 毅 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (50332185)
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Keywords | 重イオンビームプローブ / HIBP / 高エネルギー粒子検出器 / ポテンシャル計測 |
Research Abstract |
磁場閉じ込め高温プラズマにおける電位及びその揺動を測定できる重イオンビームプローブ(HIBP)はプラズマ輸送現象を理解する上で重要な計測器である。しかし対象となるプラズマが大型化・高密度化するにつれてビームの減衰が激しくなり検出ビーム強度が小さくなるため計測が難しくなる。この弱点を補うべく高検出効率・高増倍率・高位置分解能を持つ検出器の開発を行った。 これまで使用してきたMCPは高エネルギーイオンを検出する場合、その検出効率が減少する可能性がある。そこで高エネルギーイオンを直接検出するのではなく、ターゲットに当てて2次電子に変換し、それを検出するという方法を考え、検討を進めた。 高位置分解能を達成するためにナイフエッジ型のターゲットを用いてビームを分割し、双方の面で発生した2次電子をMCPで検出してその差分から位置の動きを検出する方法を考案し、その設計計算を行った。その結果、発生した2次電子はナイフエッジ頂点付近で発生する数%程度を除いて確実に検出できることが分かり、設計計算上十分な位置分解能が得られることが分かった。ただし問題点は、実際に製作設計を行うとMCP自体の大きさによる制限のため、現在私が使用を検討している大型ヘリカル装置用のHIBPでは、現状の装置形状ままでは多チャンネル化が難しいことが分かった。空間多点計測は本研究開発により観測を目指している乱流計測を行う上で重要である。そこで多チャンネル化が行え、かつ位置分解能が行えるように、微細メッシュをターゲットとしてMCP前面に配置するタイプの検出器の開発も同時に行うことにした。問題点はメッシュを使用するため位置分解能がメッシュで制限される可能性があることであるが、この場合ビーム進行方向に対して検出器を斜めに配置することによって検出器面上でのビームの動きを拡大することによって対処できると考えられる。この考えに基づいた実験を来年度実施する予定である。
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