2006 Fiscal Year Annual Research Report
密度・温度同時計測用ミリ波システムの開発とダイバータプラズマでの間欠的輸送の研究
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18760641
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
秋山 毅志 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (80370138)
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Keywords | ダイバータ / 干渉計測 / 電子サイクロトロン吸収計測 / 間欠的輸送 / Blob |
Research Abstract |
ヘリカル装置での間欠的輸送の詳細な研究には、ダイバータへの磁力線(レグ)に沿ったプラズマでの時間分解能の高い電子密度・温度計測が不可欠となる。しかし、LHDのダイバータレグの温度やBlobの立ち上がり時間を考慮すると、通常の静電プローブまたは高速掃引プローブでの計測では、熱負荷や時定数の面で問題がある。そこで、ヘリカル装置のダイバータプラズマにおける間欠的粒子・熱輸送現象を観測するために、ミリ波を用いた電子密度(干渉計測)・温度(電子サイクロトロン吸収計測)同時計測システムを開発している。初年度の18年度は、申請時ではミリ波周波数を概算で決定してLHDにシステムを設置し、サイクロトロン吸収が起こるよう、LHDの実験条件(磁場強度)を決定する予定であった。しかし、LHD実験の典型的な磁場強度で吸収が起こるよう、周波数を定めた方が、限られたマシンタイムで効率的にデータが取得できると考えた。そのため、初年度は無理にシステムを設置せず、計測位置での共鳴周波数の計算コードの整備、及びシステムの詳細な設計を行った。 計測位置での磁場強度を数値計算し、ミリ波発振器の中心周波数を66.7GHzとした。LHDでは、広い磁場配位で実験が可能であるため、十分な出力(約50mW)を保ったまま、周波数を±3GHz可変できるようにした。この最適化により、LHDのほとんどの実験条件でハード面の入れ替え無しにデータを取得できるようになった。また、干渉計測のシステムは信頼性の高いヘテロダイン方式とし、必要なミリ波コンポーネントは18年度予算を用いてほぼ揃え、システムの健全性を確認するテストを現在行っている。また、LHD真空容器に設置する導波管やミリ波を折り返して受信するために必要な反射板等の設計・製作はほぼ完了し、LHDへの設置を待つ段階である。
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