2007 Fiscal Year Annual Research Report
高温プラズマ中の微視的電磁乱流シミュレーションによる分布・構造形成の研究
Project/Area Number |
18760646
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
宮戸 直亮 Japan Atomic Energy Agency, 核融合研究開発部門, 研究職 (80370477)
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Keywords | 帯状磁場 / 帯状流 / イオン温度勾配 / トカマクプラズマ / 乱流輸送 / 有限ベータ / 有理面 |
Research Abstract |
3次元電磁流体コードを用いて、トカマクプラズマ中のイオン温度勾配によって駆動される電磁的微視的乱流シミュレーションを行い、乱流による帯状磁場の生成・飽和、および帯状磁場が帯状流や乱流輸送に与える影響を明らかにした。シミュレーションはイオン温度勾配(ITG)不安定性が支配的な低ベータ(べータ値=プラズマ圧力/磁気圧力)領域で行った。ベータの増加と共にITGモードは安定化され乱流輸送は減少するが、帯状磁場のエネルギーは増加していく。帯状磁場は安全係数が整数などの低次の有理面において最も強く生成され、その有理面に共鳴するモードがあるトロイダルモードは帯状磁場の生成に寄与し、そうでないモードは減衰に寄与する。このためトロイダルモードをとびとびにとった場合、すべてのモードをとった場合とは異なる有理面で最も強い帯状磁場が生成されることがわかった。通常、帯状流は乱流のレイノルズ応力によって駆動され、geodesic transferと呼ばれる効果が帯状流のエネルギーシンクになっているが、帯状磁場が最も強く生成されている有理面では、レイノルズ応力とgeodesic transferの役割が逆転していることを発見した。しかし、この逆転現象は有理面まわりの局所的領域に限られ帯状流の径方向分布への影響は小さく、乱流輸送へもほとんど影響しない。このようにITGモードが支配的な低べータ領域において帯状磁場の帯状流や乱流輸送への影響は小さいが、帯状磁場はべータ値と共に強くなるため高べータ領域では帯状流や乱流輸送へ影響を及ぼす可能性があると考えられる。
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Research Products
(6 results)